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事務屋のおぼえがき

「ロールモデル思考法」という思考法

今更ながら「ウェブ時代をゆく - いかに働き、いかに学ぶか」をゆっくりと読んでいる。なぜゆっくり読んでいるかというと、あまりにも自分にとってインプットが多くて、一気に読むのがもったいないからである。

この本の中で「ロールモデル思考法」というものが紹介されていた。著者の梅田望夫氏は数々の人生の転機をこの思考法で乗り越えてきたようだ。

ここで「ロールモデル思考法」を著者の言葉を使って簡単に説明すると、「けもの道」を生きていくとき、自分の「好き」を探すのは必須のことであるが、頭の中で好きを追い求めるのも限界があるので、外界から「好き」を探すというものだ。
特徴的なのは、一般的によくいう「お手本となる人を探す」というのと少し違い、「ある人の生き方のある部分」「ある仕事に流れるこんな時間」「誰かの時間の使い方」「誰かの生活の場面」を直感にこだわって選び取り、ロールモデルとして設定するというところだった。

例えば、自分が好きで繰り返し読む本や繰り返し観る映画があるとする。そのとき、その対象のどの部分が自分に強い信号を発しているのか徹底的に問いただす。その部分がロールモデルになるということである。例えば著者にとっての"強い信号"は「シャーロックホームズの冒険」の「私立探偵の存在の在りよう」や、沢木耕太郎作品の「見知らぬ土地に出かけてたくさんの見知らぬ人に話を聞き続ける行為」「その結果を構造化しようと苦吟する過程で発揮する創造性」などを挙げている。それが全く異質なものでも、好きの強度が強ければ自分にとってのロールモデルになるという。

とてもよい考えに出会った。

自分が繰り返し読む本や観る映画はあったが、それがなぜ自分を惹き付けているのか。これまで「自分と共通点があるからだろうな」くらいしか考えたことなかったが一度ロールモデルを見つけるつもりで見直してみよう。

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