TechNote

事務屋のおぼえがき

一度は観ておきたい!エンジニアが主役の映画5選 (とそこで使われている技術を少々)


以前から一度まとめてみたかったタイトルの件、今更ながらまとめておきます。
観たい映画がなくなった方や、エンジニアとして働いてるけど目標を見失ったという方のご参考になれば。


1.ソーシャル・ネットワーク

■ あらすじ(amazonより)

2003年。ハーバード大学に通う19歳の学生マーク・ザッカーバーグは、親友のエドゥアルドとともにある計画を立てる。それは友達を増やすため、大学内の出来事を自由に語りあえるサイトを作ろうというもの。 閉ざされた“ハーバード”というエリート階級社会で「自分をみくびった女子学生を振り向かせたい」―
そんな若者らしい動機から始まった小さな計画は、いつしか彼らを時代の寵児へと押し上げてゆく。 若き億万長者は何を手に入れ、そして何を失うのだろうか―?


■ 環境・技術の話

主人公マーク・ザッカーバーグの自宅PCのOSはLinux、使用しているブログサービスは個人ブログ「Zuckonit」(※自分の名前からzuck on it由来?)、エディタはEmacs、言語はPerl

まず、序盤の名シーン、各寮から学生画像を入手したシーンについて。

カークランド寮の画像取得においては、Apachehttpd.confの設定は「Options Indexes FollowSymLinks」となっていることが予想される。ブラウザからファイル一覧が丸見えの状態。wgetコマンドでカークランド寮の~kirkland/photos/femaleディレクトリの画像を根こそぎダウンロード。aオプションで拡張子jpgのみを対象としている。

wget -a jpg /kirkland/photos/female


エリオット寮のhttpd.confの設定はおそらく「Options -Indexes FollowSymLinks」で外部公開を無効にしている。空のキーワード検索で全画像をブラウザに表示させそれを手動保存いっているようだ。(保存後、男性画像は手動で削除していっている?)


ローウェル寮では、Basic認証でアクセス制限をかけられているが、思い当たるパスワードがあるのか、簡単に突破可能。突破後Perlスクリプトを書いて画像を一括ダウンロードしている。詳細は読み取れない。

アダムス寮ではローウェル寮で作成したPerlスクリプトを修正して使用。


2万2000PVを記録し学内LANをダウンさせ、わずか4時間でサイト閉鎖に至ったシーンは見ていて気持ちいい。





2.ブラック会社に勤めてるんだが、もう俺は限界かもしれない

■ あらすじ(amazonより)

高校中退のニート・マ男は、母の死をきっかけにプログラマーとなり、何とか小さなIT企業に就職する。しかし入社してみると、そこはサービス残業や徹夜は当たり前で、過酷な労働を社員に強いる「ブラック会社」だった。変わり者の同僚に囲まれ、徐々に成長していくマ男をコミカルに描く。


■ 環境・技術の話

主人公マ男が自宅で使用しているWebサービスはweegle(Google)、Bちゃんねる掲示板(2ch)。
会社のPCは当時のブラック企業でありがちだったDELL、業務シーンでの使用言語はVB.NET


オープニングにて自宅の本棚には「明解Java」「javaによるアルゴリズムとデータ構造」「明解C++」等の"いかにも"な本が。



入社日の主人公の自己紹介時、キーボードの打鍵音だけが鳴り響く室内を描写したシーンで、一瞬移った画面にはEncoding.GetStringメソッド等を使った以下のような処理が。これまたいかにも業務プログラマといったコード。

if node Is Nothing Then
  Dim encSjis As Encoding
  encSjis = Encoding.GetEncoding(932)
  code = encSjis.GetBytes("")
Else
  Dim attrib As XmlAttribute = node.Attributes("")
  s = attrib.Value.ToCharArray()
  code(0) = &H4B
  code(1 ...←ここまで書きかけている


主人公は入社日にVisualStudio.NET Professionalインストーラと共にいきなり難しい設計書(クラス図)を渡される。クラス図ちゃんと見てみたいけど、微妙に見えない。

SIerのあるあるを見事に凝縮させた映画。既視感にとらわれる光景が満載で、「デスマ」や「死亡フラグ」など、当時(今も?)SI業界に蔓延していたワードもふんだんに散りばめられている。






3.ソードフィッシュ

■ あらすじ(amazonより)

世界No.1ハッカーと呼ばれたスタンリーのもとに舞い込んだ巨額金強奪の話。かつて麻薬取締役局の極秘作戦”ソード・フィッシュ”によって生じ現在も政府がネットの裏側に隠し持つ95億ドルを、わずか60秒で奪う!話を持ちかけてきたガブリエルの逆らい難い脅威に、スタンリーは予測不能の「錯覚=ミスディレクション」の罠にはまっていく!600台のカメラを駆使し1.5秒間から30秒間に引き伸ばされた”30秒マシンガン撮影”による迫力の大爆破シーンなど、衝撃と興奮に覆い尽くされる。



■ 環境・技術の話

AutoCadを使ってワーム作成という滅茶苦茶な設定(らしい。正直よくわからない。ソースはココ)。
ワイン飲みながら音楽ガンガンの中でのハッキングシーンは、ここだけでも見る価値のある映画。





4.ファイヤーウォール

■ あらすじ(amazonより)

ランドロック・パシフィック銀行に勤めるコンピューター・セキュリティの専門家、ジャック・スタンフィールド。家族とともに幸せな人生を送る彼に、人生最大の危機が迫ろうとしていた。ジャックに目をつけた強盗グループが彼の家族を人質に取り、1億ドルを銀行から盗み出すよう指示してきたのだ。犯人グループの徹底した監視体制の下、ジャックは自らが構築した鉄壁のセキュリティ・システムに挑むことになる。果たして、彼は愛する家族の命を救い、強盗グループから出し抜くことができるだろうか。


■ 環境・技術の話

端末のOSは自宅も会社もWindowsXPハッカー系映画でWindows使ってたら何故かすごさ半減する不思議。セキュリティ管理者の話なのでこのほうが現実的なのかも。


ファイアーウォール設定シーンのコマンド。

[rv8051:~] lwravi%

Router(config)# access-list 1 deny 172.16.4.0.0.0.255
Router(config)# access-list 1 permit any

Router(config)# interface ethernet 0
Router(config-if)# ip access-group 1

[rv8051:~] lwravi% Rule initialized

コーヒーをわざとこぼして、システム担当者の見てない間に画像を全て削除という原始的なやり方も出てくる。クラッキング要素があまりなく、頭脳戦というよりは、体当たりな映画です。





5.ペイチェック 消された記憶

■ あらすじ(amazonより)

極秘プロジェクトに参加し、その間の記憶を消して多額の報酬を得ていたコンピューター・エンジニアのマイケル。だが約100億円の報酬を得られるはずの大仕事を終えた彼に残されたのは、意味不明なガラクタだけ。しかもガラクタを送りつけたのは自分自身で、さらに何者かに彼は命を狙われていた。一体なぜ? はたして記憶を失った間に、どんな出来事が彼の身に起きたのだろうか!?



■ 環境・技術の話

近未来という設定のため、環境は全くわかりません。

リバースエンジニアリングで他者技術を盗んで自社開発に生かすのを生業とするエンジニアの話。画面みてキーボード打つよりはボードとかいじってるシーンが多い。組み込み系エンジニアと呼ぶのでしょうか?




6.まとめ


現実世界が描かれているのは、上記のうち「ソーシャルネットワーク」、「ブラック会社に勤めてるんだが、もう俺は限界かもしれない」くらいです。

エンジニアが主人公だとどうしても「ハッカー(クラッカー)映画」となってしまうことが多いようです。そして「ハッカー(クラッカー)映画=アクションもの」という構図ができあがっているのは、アクション要素を取り入れないとどうしても地味になってしまうということでしょうか。

個人的には、もう少しふつうのエンジニアのサクセスストーリーが増えていいようにも思います。


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