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とあるエンジニアのただのメモ

斎藤孝 オススメ本(3) 呼吸入門

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呼吸入門


20年以上も呼吸の研究を続けている斎藤孝氏が、「より多くの人に、呼吸の大切さ、息がもつ人間学的な重要さを深く認識し、生の味わいをより深くしてもらうため」に出版したもの。(2008年)

呼吸入門 (角川文庫)

呼吸入門 (角川文庫)



より専門的な話は「息の人間学(世織書房)」に書いているとのことだが、この「呼吸入門」でも十分な知識が得られるようになっている。

本書は「呼吸入門」というタイトルからハウツー本を想像してしまいがちだが、ハウツー本ではない。

目次の一部を抜粋すると

  • なぜ「息」を考えるのか
  • 呼吸力とは何か
  • 息と心の関係
  • 日本は息の文化だった
  • 教育の基盤は息である

:

といった具合に、文化や歴史に着目した話が8割を占めている(ような印象を受けた)。

序盤で興味深かったのは昔の武士の話。

武士は常に身体の形から入って、心の在り方を調えようとしました。武士というのはいつでも意識が覚醒していて、戦いに備え、火急に際して即座に対応できなければなりません。それには肚(はら)が据わった構えが必要でした。

としたうえで、昔の武士の呼吸力(それに伴う集中力の持続、精神の充実)が優れており、それをいつのまにか日本文化が失っていったことなどが書かれている。かつての日本が身体文化の宝庫であったことを様々な例を挙げて紹介している。


「呼吸力とは何か」で響いた言葉が以下。

からだ全体から発せられるエネルギーというのは、呼吸力によって支えられている。逆に言えば、エネルギーの排気量は呼吸の強さで量られるのです。
呼吸力は、からだが表現しているものですから、自然ににじみでてくるものです。いわばその人の存在感のようなものとして認識されます。
例えば、深い呼吸の力を持った人が静かに穏やかに話していても、そこには自ずと迫力がでる。逆に、浅い呼吸の人が一生懸命声を張って熱弁をふるっても、底の浅さが出る。

これは誰もが生活していく中で意識せずとも感じとっていることだろう。当時の自分も自分の呼吸力のなさと、知人の呼吸力の強さ(エネルギーの発せられ方)を比較し、いろいろ考えさせられたところがある。

少し出てくるハウツー的な章ではもちろん「3-2-15の呼吸法」が紹介されている。
著者は、他の多くの著書でも「3-2-15」という呼吸の型を広く浸透させようとしているが、そこではあくまで「型」として紹介しており、その根拠については詳しく書いていない。
それがこの「呼吸入門」には少し詳しく書かれている。

「息を感じて生きる」の章では、普段の生活で呼吸を活用することで、いかに深い「生」が得られるかといったことを、様々なシーンにおいて書かれていて、とてもおもしろい。

全章にわたって「呼吸」と関連づけられた文章となっていて、読みものとしてとても興味深い一冊。

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